2021年8月現在、未だ新型コロナウィルス感染症の流行が収まらず、第54回 日本薬剤師会学術大会(福岡)をはじめ学会・学術大会はWebでの開催が多い状況です。
厳密に言うと、COVID-19流行以前よりデジタルポスター形式の発表は存在しており、口頭発表に近い印象を受けておりました。ですので、正しくは「デジタルポスター発表」と「Webでのポスター発表」は別物なのかもしれません。
2021年開催の日本薬剤師会学術大会では、口頭発表も8月上旬に完全Web開催の通知に伴いポスター発表へと切り替えが必要になったのですが、ここで問題が一つ。
- スライドは20枚まで
- 10MB/枚まで
という条件が表示されたのみで、不慣れな発表者にはどうすれば良いのか見本も無い状態です。
ただし、学会運営側もリアルとWebの両方を準備しつつ、直前の流行拡大で開催形式の変更を余儀なくされるなど大変なことと思われますので、ここは発表者が自身で情報を探して対応していく事にしましょう。
まず、「2.10MB/枚まで」について確認します。
次の画像をご確認下さい。
※ 内容が判読できないよう、モザイク処理を施しております
これは、2017年に日本薬剤師会学術大会で発表した時のポスターです。A0(ゼロ)というサイズの紙を使っています。
これ1枚で容量はどの程度かと言いますと、およそ2MBです(Powerpointのエクスポート機能を使用したjpeg画像)。
ということは、条件2は勿論満たしております。
そして条件1を振り返りますと、少なくともこれと同じポスターを20枚はUP出来るわけです。
ですので、まず「スライドに対してUP許容枚数が足りない!」という心配は不要です。
ただし、口頭発表のつもりでスライドを作っていた方は、標準的な作り方ですと実質中身は18枚となります。
タイトルとCOI(最下部の指定あり)で1枚ずつ必要だからです。
以上を勘案しますと、やはりA0ポスターとして作成した方が無難な気がします。
そこで、具体的な作り方の提案です。
上の図は、2013年に開催された九州山口薬学大会の要旨集を参考に作成しております。
要旨集がPDF配布となるまで、多くの学会でほぼ同じサイズの指定がありました。これは、会場が所持するパーテーション(ポスターを掲示するための板)の規格がほぼ一定であろうことが原因と考えます。
【提案例】
- [演題番号]パート、[演題名等の頭書き]パート、[本文]パートをまとめて1枚として作成する
- [本文]パートをA0サイズ(縦 118.9cm、横 84.1cm)とする
- 2より、A0のサイズより縦を20cm多く設定する
- 以上より、Powerpointの「ユーザー設定のスライドサイズ」を縦 138.9cm、横 84.1cmで設定する
これで如何でしょうか?
勿論、ポスター貼り付けのためのボードが210cmなのでギリギリまでサイズを大きくしても良いかもしれませんが、良くも悪くも「慣例」があります。あまりに縦長では見づらいとの印象を持たれるかもしれません。また、横長だったり奇抜なデザインの設定も可能とは考えますが、デジタルだからと奇をてらうよりも、ビシッとデジタルの中でもリアルで開催されているように違和感なく見てもらう方が、個人的には余裕のあるように感じます。
実際の設定方法は、A0ポスター印刷をご確認下さい。
頭書きの書き方は、演題・発表者名の印刷の中の上部2/3が該当しますので、併せてご確認下さい。